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2005年01月の記事一覧

2005年01月29日

今日の奄美は久々の晴れ、雲少なし!

西日にたそがれる奄美完熟たんかんの木(収穫前)

 今日の奄美は久々の晴天でした。途中、雨も降りましたが、晴れ間が長いことのぞいたので嬉しいです。おまけに雲も少ない。

 明日から奄美も冷え込みます。この冬一番の寒さが到来します。今日、雲が少ないということは、寒さも一段と厳しいということですよね(^○^)

 この寒さが、今年の奄美完熟たんかんの美味しさを決しますので、ご期待下さいね。


 この奄美完熟たんかんの写真をみて、どうお感じですか?
葉が茂り、果実がならしこまれていて、夕日であっても、ぎりぎりまで採光していると思いませんか。

 確実とは言いませんが、私、畑をみれば、大体の出来が分かります。力なく葉がない樹木では、どうやって光合成をすすめるのでしょう。ならしっぱなしとならしこみは、似て非なるものです。葉に関して言うと、奄美ではタンカンの果実一個に対して、16枚の葉を残すように摘果を進めます。

 たんかん栽培の最初の関門は、実は収穫後にあります。収穫が済んだタンカンは、立地条件にもよりますが、3月上旬には剪定や春肥を施します。実のつきすぎた樹木には即効性の液肥をほどこします。

 水はけを良くするために、さまざまな工夫を行い、防除につとめ、摘果をし、時により、台風や鳥獣害対策を施します。そして、いま(1月末)、寒波の到来で、たんかんの美味しさがぐっと向上し、収穫します。

 すこし脱線しましょうね(^○^)
知識のない売り手というのは、果実はみても葉はみません。すこし知識がついてくると、樹木は見ますが、土は掘りません。

 柑橘を紹介しているHPでは、見事な果実は紹介しますが(なかには明らかな病状を呈している果実を無神経に掲載しているものもありますよね)たわわに実った樹木をみると「これではいかん」と嘆いてしまいそうなものも多いです。

 農家さんは神様でありません。「この人が作るから間違いない」というのはある意味正しいのですが、ある意味間違いです。

 意味深ですね(^○^)

 私はみなさんに「本物」を見抜く目を持っていただきたいのです。「○○産のみかんだから、すべて美味しい」わけがありません。どんなに優秀な農家さんでも、年回りによって苦しむ事も多いです。そして、紹介をする言葉が売り手の「真摯」な言葉であふれているか。私の言葉を引用しただけの紹介では、売れるはずがありません。

 農作物は、自然相手です。その上で、農家さんの創意工夫とたゆまぬご努力で、1年に1度の恵みがもたらされるのです。この写真をよくご覧下さい。一般の消費者の方であれば、一生に一度、実際に見ることはかなわないものです。あれだけの台風から、これだけ耐えてきたということです。

この木を、この園を育てるのに、どれだけの時間と労力が必要であったか。
そのうち、お話しますね。

2005年01月25日

樹勢が回復しないタンカンの木とは

樹勢が回復しないたんかんの樹

 右の写真は、たんかんの木です。樹勢が回復しないまま、このような状態で枯れずに持ちこたえています。力がないのがお分かりですよね。

 下の写真は、上の写真と同じ時期に植えたタンカンの木です。どちらも栽培してから10年目の木ですが、樹勢の回復しない木と、回復した木では、これだけ差がでます。ちなみに、この2本の木は10mと離れていない場所にあります。

 この二つは、農家さんがあえて、実験のために植えています。手入れをきちんとした木と、そうでない木では、10年でこれだけ差が出るという見本にしているそうです。

 たんかんは、収穫が済んだら、すぐに剪定と春肥を行わなければなりません。遅くとも3月中旬までが目安です。塩害は別として、カラタチ台木のたんかんは、隔年結果を防ぐための春の剪定次第で、栽培後5〜10年で大きな差がでます。実をつけるからつけっぱなしというのでは、栽培後5〜8年目を目安に急速に樹勢が弱まります。

順調に育ったタンカンの木

 塩害とは、台風等によって、塩分を含む海水が空気中に分散され、それが樹木の葉などについて起こります。表面的には「葉」が枯れる症状ですが、葉だけではなく、塩害が強く出た樹木は、根にも深刻なダメージを受けています。

 塩害を防ぐには、激しい風が吹いた後、6時間以内に樹木の葉を水で洗い流せば、かなりの効果が期待できます。が、現実問題として、奄美では台風の強風域にはいると、2昼夜以上はげしい風雨にさらされますので、難しいです。

 ですから、奄美での果樹作りは、全国のどの地域にもまして、防風林対策がカギ(強固な防風林でできるだけ風雨を遮断することがカギ)となります。

 すぐに樹木を植えたい気持ちを抑えて、数年賭けて、防風林作りを行い、その上で、本格的に果樹栽培に乗り出すというべきですね。

2005年01月23日

平井学さん

平井学さん

 昨日のやっちやば通信の、山川さんのとけいそうだよりで平井学さんのことを書かれていましたので、本日は平井さんの写真をアップしますね。

 平井さんは、約3ヘクタールの面積で奄美たんかんを栽培しています。耕地面積の広さももちろんのこと、ひとつひとつのタンカンを大切に育てています。この方が、奄美で本格的にタンカンを栽培され、奄美でのタンカン栽培のノウハウや理論を構築されました。現在、JA奄美果樹部会の会長として、精力的に後進の指導にもあたっています。

 タンカン栽培について、辛口で有名な農家の岡山俊一さんでさえ、平井さんに教えを請うています。意欲あるタンカン農家さんが平井さんを憧れるのは、理論やノウハウだけでなく、いまだに、奄美でのタンカン栽培の研究を行い、また実践されているからでしょう。

 今年の平井さんの畑は、台風の被害は最小で乗り越えましたが、イノシシ対策に追われています。防獣ネットだけでは駄目だということで、広大な園のほとんどにトタン板で補強しています。

 たんかんも良い状態で仕上がっています。近いうちに平井さんの動画も掲載しますので、お楽しみに(^○^)

2005年01月21日

平井学さんの畑にて

平井さんの畑

 平井学さんの畑に行ってきました(^○^)

 以前もブログで書きましたが、平井さんは奄美における、たんかん栽培の先駆者です。現在はJA奄美果樹部会の会長として、後進の指導にも励んでいらっしゃいます。

 左の写真は、昨年の台風にも負けなかった畑です。防風林がきちっとしている様子が分かるでしょうか。

 平井さんは3ヘクタールの面積で果樹を栽培されています(耕地面積が3ヘクタールです)広大な畑は、ほとんどが写真のように防風林が整備されています。私が知るかぎり、平井さんの畑のように整備された果樹の畑となると、奄美びわ栽培の吉さんぐらいしか思いつきません。面積から考えると、平井さんの園作りは、少なくとも奄美では飛びぬけているとしかいえませんよね。

 お伺いしたときは、イノシシ対策でいろいろと作業をしている(防獣ネットの補強など)ときで、いつもの農作業の様子とはちょっと違っていました。

 ですが、いろいろと教えてくださいましたので、大変勉強になりました。近いうちに、平井さんの動画をHPでもご紹介できるかと思います。ご期待くださいね(^○^)

2005年01月19日

ある、たんかん農家さんの畑にて

 昨日に続いて、今日も山に入ってきました。ご迷惑をお掛けするかもしれないので、今日、お伺いした農家さんのお名前は伏せさせていただきます。


 大変、努力家の農家さんで、ご家族でたんかん栽培にあたる方ですが、残念ながら、今年の収穫量は例年の3割に満たないです。

 台風16号・23号で大変な打撃を受けた上に、先月(12月)の台風で強く塩害がでました。以前もお話しましたが、塩害が強く出ると、樹木の葉はすべて枯れ落ちます。そして、このような状況になると回復までに3年を要します(回復しなくて樹木自体が枯れる事も多いです)

 畑のすべてに塩害がでるというものではありませんが、それでも、やるせない思いになりますよね。収穫の時期も近づいてきましたので、私も気持ちが入ってきていますが、今日はかなりブルーになりました。

 昨年の台風被害によって、何人の方が農業を辞めるのか。そんなことを考えてしまうと、自棄酒になりそうです。しかし、いまは、「今ある中で」ベストを尽くします。悔し涙を流すのは、すべてが済んでからにします。

 今年のタンカン、予断は許しません。
 ですが、出来る中で頑張ります。

 よろしくお願いします。

2005年01月18日

岡山俊一さんの畑にて

俊一さんのたんかん

 小雨が降っていましたが、久しぶりに岡山俊一さんの畑に遊びに行ってきました。台風が相次ぎましたが、今期は12月以降の状態は良く、1月に入ってからの寒の入りはうれしい限りです。

 1月に入ってから寒さが続くのは良いのですが、雨も多く、できれば雨が降らない天気であれば、さらに仕上がります。

 順調に紅ものっていますが、まだまだ収穫までには時間がかかりますよ。なんだか久しぶりに、収穫前に冗舌な俊一さんでした。

 今年は全体として、収穫量は少ないのですが、収穫できる果実の品質は充分なものに仕上がりそうです。こわいのは酸切れですね。

 今日は3時間ほど、俊一さんとお話しました。経験に裏打ちされた技術と知識を持つ方だけに、いろいろとためになるお話を聞かせてくださいましたので、意気投合して、ながながとお邪魔してしまいました(笑)

 これからの奄美の柑橘栽培はどうなるか?
 
 というお話をしたのですが、この一点だけ、お話しましょうね。あとの話は、かなり刺激的ですから、まだ封印しておきますね。

 私も、岡山俊一さんも、奄美における奄美完熟たんかんの栽培ブームは、ピークを越したという点で、同じ認識を持っています。これはひとえに栽培技術によるものですが、もう少し言えば、(たんかんの新規栽培をされる農家さんで)プロフェッショナルな農家さんが育っていないのが最大の問題です。

 別に奄美だけではありませんが、一地域である果物の人気がでると、右へ倣えで、その地域での栽培ブームが始まります。大体のばあい、この栽培ブームは、販路や品質の問題で、一度は落ち着きをみせます。奄美はちょうどこの段階です。

 その後、じりじりと生産量が減り続けます。これが今年からの奄美です。そして、ある時期に、道が分かれます。再び生産量が、全体として増加に転じるのか、極端な減少に転じるのか。微量でも増加に転じることができれば、本当の意味で、奄美の果樹栽培のブランドとして、奄美完熟たんかんが生き残れますし、ある時期から、極端に収穫量が減少を始めたら、それは衰退の道をたどるだけです。

 なぜ、このようなことが言えるか。答えは「現場にある」のです。奄美完熟たんかんは、抜群に美味しいのですが、樹勢は強くはありません。栽培技術によっては、数年で回復不能なところまで、樹勢が弱まるために、実をつけないだけでなく、次々と枯れてしまうのです。

 そうならないための知識・技術・経験を持った農家さんや指導体制が、いったい、いまの奄美にどれだけあるのか。

 奄美たんかんの栽培ブームがピークを過ぎてしまいましたので、これからは新たに栽培を始める方よりも、タンカンをやめて他の作物の栽培を行う方のほうが増えます。ただでさえ、日本の就農者人口は減少を続けています。2010年には2000年当時の半分ほどの就農者にまで落ち込みます。

 台風によって左右されますが、このような状況でも、2010年前後には、タンカン栽培のプロフェッショナルと呼べる農家さんが栽培面積を拡大した分の生産量が、全体の収穫量をそこ上げます。

 つまり、2ヘクタールほどの耕作面積を持つたんかん農家さんが、この先、何人育っていくのか、育てられるのか。この点にかかっています。このような方々が、わずか30人いれば、商品となるタンカンの数量は、栽培ブームのピーク時を大きく上回ります。100人いれば、奄美の基幹産業である大島紬の生産高を上回り、150人いれば、奄美群島最大の農作物であるサトウキビをも上回る生産高となります。

 タンカンの美味しさは筆舌に尽くしがたいです。それだけの魅力があります。美味しさが変わらないとして、10年たてば、タンカンの魅力はなくなるでしょうか。決してそうではありません。農業を、産業振興としてお考えの奄美の自治体があれば、今一度、奄美完熟たんかんの魅力をお考えください。