2005年02月11日

奄美地域のタンカンの病害虫診断と対策(奄美群島園芸振興産地定着促進事業)

奄美地域のタンカンの病害虫診断と対策

 奄美たんかんの美味しさとは関係ありませんが、奄美地域でのタンカン栽培の難しさなどを左のテキスト等からお話ししますね。


 これは「健全な樹を育てる」ために必要なことです。美味しさは、また別な努力をしなければなりません。




奄美地域のタンカンの病害虫診断と対策


「はじめに」から抜粋

 タンカンはカンキツの中でも、特に温量を必要とすることから、国内並びに本県でも栽培地帯は限られています。年間平均気温が21度以上と温暖な奄美は、まさにタンカンの敵地であり、競合産地も少ないことから有利な販売もできます。
 しかし、年間降水量が2800mm(名瀬市平年)と多いことや、台風、季節風による影響で病害虫がいつでも多発しやすい環境でもあります。
 また、栽培面からは管理の遅れから病害虫の発生につながる場合もあり、適期管理が重要となってきます。

 奄美はこのような環境です。

 年間平均気温21度というのは、静岡(16.3度)和歌山(16.4度)熊本(16.5度)などの柑橘産地と比較すると、格段に暖かい地域です。

 この暖かさをもたらす亜熱帯気候は、逆に言えば、海水温度の高さから台風の接近を意味し、地理的な性質もあって、国内では屋久島等につぐ降水量の多い地域です。

 つまり、高温多湿ということです。「高温多湿」な環境では、カビが生え広がりやすいように、病害虫も急激に広がりやすいという危険性を持っています。

 害虫については山林に囲まれた園地が多いので、ミカンハダニなどを捕食する天敵が多いのも事実です。このような特性を踏まえて、総合防除を行い、病害虫に備えます。


総合防除とは下記の4種類です。

 ・耕種的防除
 ・物理的防除
 ・生物的防除
 ・効果的薬剤防除

・耕種的防除(病害虫が発生しにくい環境を作る事)
 防風林の整備、枯れ枝の除去、排水対策、日照条件の改善など。

・物理的防除(熱・光・色などを利用した防除法)
 タイベックシートを用いて訪花昆虫やスリップス類(アザミウマ)などを防ぐ。ネットを被爆してカメムシ類を防ぐ。誘蛾灯などを用いるなど。

・生物的防除(天敵・微生物などを利用した防除法)
 奄美ではミカンハダニを捕食するカブリダニ、ヤノネカイガラムシに対するヤノネツヤコバチなどが確認されています。

・効果的薬剤防除(総合防除の最終手段として薬剤による防除を行います)


●タンカンの主な病害

1 そうか病
22〜24度、多雨多湿で発生しやすい。12〜15時間以上の多湿条件が続けば発病が多くなる。進入に要する時間が短く、夜露でも感染する。樹木が若いほど感染しやすい。

2 かいよう病
25〜30度。多雨多湿で発病する。一度発病すると二次感染して被害が広がる。ミカンハモグリガの被害、台風の風傷によって急激に感染しやすくなる。

3 黒点病
20度〜28度。多雨多湿で発生し、降雨が続くと多発する。8時間以上果実が濡れた状態だと感染する。


 次の「黄化・落葉症(仮称)」がもっとも気になるところでしょう。


4 (仮称)黄化・落葉症など(病害虫・鳥獣害・台風害などでない)
主にカラタチ台木の垂水1号で発生する。発症した樹木は、いずれも細根が少なく、「前年の着果量が多かった」と推測される樹で多い。

よって、着果過多により、果実の養分収奪量が増加するために細根の発育不良を促し、梅雨時期の排水不良、夏季の土壌乾燥などのストレスにより、細根の損傷が影響を大きくしていると考えられる。

タンカンは果実の生育期間が長く、樹勢回復期間がほとんどないために、樹勢の衰えによって多発する。

対策:定植後、2〜3年は結実させない。摘果を徹底し、表年の過度な着果負担を避ける。乾燥しやすい圃場は敷き草などで土壌水分を保持する。適切な施肥を行い、樹勢が弱らないようにする。

発生した樹では、樹勢回復を図るのが第一である。樹勢回復には3〜4年を要するので、全摘果などの着果制限、土づくりを行う。


このほかにも、気をつけないといけない病害はありますが、特にカンキツグリーニング病(CG病)などは要注意です。


 ざっと説明しました。
 何かの参考になるかもしれませんので、ご意見を頂ければ、どんどん追記していきますね。



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