小雨が降っていましたが、久しぶりに岡山俊一さんの畑に遊びに行ってきました。台風が相次ぎましたが、今期は12月以降の状態は良く、1月に入ってからの寒の入りはうれしい限りです。
1月に入ってから寒さが続くのは良いのですが、雨も多く、できれば雨が降らない天気であれば、さらに仕上がります。
順調に紅ものっていますが、まだまだ収穫までには時間がかかりますよ。なんだか久しぶりに、収穫前に冗舌な俊一さんでした。
今年は全体として、収穫量は少ないのですが、収穫できる果実の品質は充分なものに仕上がりそうです。こわいのは酸切れですね。
今日は3時間ほど、俊一さんとお話しました。経験に裏打ちされた技術と知識を持つ方だけに、いろいろとためになるお話を聞かせてくださいましたので、意気投合して、ながながとお邪魔してしまいました(笑)
これからの奄美の柑橘栽培はどうなるか?
というお話をしたのですが、この一点だけ、お話しましょうね。あとの話は、かなり刺激的ですから、まだ封印しておきますね。
私も、岡山俊一さんも、奄美における奄美完熟たんかんの栽培ブームは、ピークを越したという点で、同じ認識を持っています。これはひとえに栽培技術によるものですが、もう少し言えば、(たんかんの新規栽培をされる農家さんで)プロフェッショナルな農家さんが育っていないのが最大の問題です。
別に奄美だけではありませんが、一地域である果物の人気がでると、右へ倣えで、その地域での栽培ブームが始まります。大体のばあい、この栽培ブームは、販路や品質の問題で、一度は落ち着きをみせます。奄美はちょうどこの段階です。
その後、じりじりと生産量が減り続けます。これが今年からの奄美です。そして、ある時期に、道が分かれます。再び生産量が、全体として増加に転じるのか、極端な減少に転じるのか。微量でも増加に転じることができれば、本当の意味で、奄美の果樹栽培のブランドとして、奄美完熟たんかんが生き残れますし、ある時期から、極端に収穫量が減少を始めたら、それは衰退の道をたどるだけです。
なぜ、このようなことが言えるか。答えは「現場にある」のです。奄美完熟たんかんは、抜群に美味しいのですが、樹勢は強くはありません。栽培技術によっては、数年で回復不能なところまで、樹勢が弱まるために、実をつけないだけでなく、次々と枯れてしまうのです。
そうならないための知識・技術・経験を持った農家さんや指導体制が、いったい、いまの奄美にどれだけあるのか。
奄美たんかんの栽培ブームがピークを過ぎてしまいましたので、これからは新たに栽培を始める方よりも、タンカンをやめて他の作物の栽培を行う方のほうが増えます。ただでさえ、日本の就農者人口は減少を続けています。2010年には2000年当時の半分ほどの就農者にまで落ち込みます。
台風によって左右されますが、このような状況でも、2010年前後には、タンカン栽培のプロフェッショナルと呼べる農家さんが栽培面積を拡大した分の生産量が、全体の収穫量をそこ上げます。
つまり、2ヘクタールほどの耕作面積を持つたんかん農家さんが、この先、何人育っていくのか、育てられるのか。この点にかかっています。このような方々が、わずか30人いれば、商品となるタンカンの数量は、栽培ブームのピーク時を大きく上回ります。100人いれば、奄美の基幹産業である大島紬の生産高を上回り、150人いれば、奄美群島最大の農作物であるサトウキビをも上回る生産高となります。
タンカンの美味しさは筆舌に尽くしがたいです。それだけの魅力があります。美味しさが変わらないとして、10年たてば、タンカンの魅力はなくなるでしょうか。決してそうではありません。農業を、産業振興としてお考えの奄美の自治体があれば、今一度、奄美完熟たんかんの魅力をお考えください。